テレビ番組『健康カプセル!ゲンキの時間』でおなじみの医学博士、浅見豊子さんは、佐賀大学医学部附属病院リハビリテーション科に所属しています。2024年11月19日から24日に放送された内容では、自宅で発生する転倒や転落事故のリスクとその防止策について詳しく解説されました。この記事では、その内容をさらに深掘りし、具体的な対策を紹介します。
自宅での転倒事故は全体の約5割を占める
転倒事故は、自宅で最も多く発生する災害のひとつです。浅見博士によれば、転倒事故の約5割が自宅内で起きています。特に注意が必要なのは以下のような要因です。
・小さな段差
・配線コードの放置
・カーペットの端が浮いている箇所
これらの原因は、見過ごしがちなものが多く、日々の生活で気づかないうちに危険を増している場合がほとんどです。
高齢者に多い筋力低下と骨粗しょう症が転倒リスクを高める
高齢者になると、筋力が低下しやすくなります。特に足腰の筋力低下は、バランスを崩す原因となり、転倒のリスクを高めます。また、骨粗しょう症を抱える方は、転倒により骨折する可能性が大幅に高まります。
骨折が起こると、生活の質(QOL)が低下するだけでなく、入院やリハビリにかかる時間が増え、身体全体の健康にも影響を及ぼします。
自宅内の危険スポットを見直す重要性
転倒を防ぐためには、まず自宅内の危険スポットを特定することが重要です。浅見博士は、次のような点をチェックリストとして提案しています。
・部屋の入口や廊下に段差はないか。
・電気コードが床に散乱していないか。
・カーペットやマットが滑りやすくなっていないか。
・トイレや浴室に手すりが設置されているか。
これらの項目を確認し、リスクが見つかった場合にはすぐに対策を講じることが大切です。
転倒防止の具体的な対策方法
具体的な転倒防止策には、次のような方法があります。
・配線コードの整理
電気コードは壁際に固定するか、コードカバーを使って目立たないようにする。
・カーペットやマットの固定
カーペットの端を滑り止めテープで固定し、動かないようにする。
・滑り止めの設置
浴室や玄関など滑りやすい場所には滑り止めマットを敷く。
・段差解消グッズの活用
高さの異なる床をフラットにするための段差解消用アイテムを設置する。
これらの工夫は費用も比較的安く、安全性を大幅に向上させる効果があります。
筋力維持と骨粗しょう症予防のための生活習慣
転倒リスクを減らすためには、日常的に筋力を鍛え、骨を丈夫に保つことが欠かせません。浅見博士は、次のような生活習慣を推奨しています。
・運動の習慣化
ストレッチや軽いウォーキングを毎日行う。特に片足立ちやスクワットは、バランス感覚と筋力を鍛えるのに効果的です。
・栄養バランスの取れた食事
カルシウムやビタミンDを多く含む食品を摂取することで、骨の強化につながります。例えば、牛乳、ヨーグルト、魚類、キノコ類が特におすすめです。
・適切な日光浴
日光を浴びることで体内でビタミンDが生成され、骨の健康を保つ助けになります。
家族全員で取り組む安全な住環境づくり
転倒防止策は、一人で取り組むだけでは効果が限定的です。家族全員が協力して、自宅全体を安全な環境にすることが大切です。たとえば、次のような取り組みを実践しましょう。
家族で定期的に住環境の点検を行う。
物を片付ける習慣をつけ、床を常にスッキリと保つ。
家族間で情報共有をし、安全対策を話し合う。
これらを継続的に実践することで、自宅全体が安全で快適な場所になります。
まとめ
自宅での転倒や転落事故は、簡単な工夫で大幅に予防することができます。浅見豊子博士が提案する具体的な対策を取り入れることで、日常生活をより安全で快適に過ごすことができるでしょう。家族全員で協力し、自宅の安全性を高めていきましょう。健康で豊かな生活の実現を目指して、一歩ずつ取り組んでいくことが大切です。
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